『パーマン』第54回(最終回)Aパート 『パー子という名の女の子の巻』 ('68.04.14放映/脚本:浪江志摩) |
<ストーリー> 仕事でハワイに行った、人気歌手・星野スミレ。 一方、ミツ夫の家にはパー子がやってきた。暫く泊めてくれというパー子だが、それをママに頼んだミツ夫は怒られてしまう。 パー子の正体について疑問を抱いたミツ夫。パー子との勝負で、1号が勝ったら正体を教えてくれるということになったが、飛行競争、腕相撲、かけっこ…1号は全て負けてしまった。 その頃、芸能人宅専門の空き巣が横行していた。 星野スミレの家を見張ることになった1号&3号だが、なぜか家にいるのは老婦人1人だけ。アイドルのスミレの生活をうらやましがる1号だが、パー子は 「そうかしら。お父さんやお母さんと、普通に食事したりすることが、本当の幸せだと思うの」 と否定する。飾られていた写真に写っていたのはスミレ1人。家族の姿はなかった。 その後、空き巣を捕まえた1号。 スミレ宅に帰った1号が窓から見たのは、老婦人にピアノを弾いている3号の姿だった。眠った老婦人に布団をかけたパー子の目からは、涙が流れていた。 パー子がマスクを取ろうとしたとき、1号が窓を叩いた。 自分のマスクを取った1号は、パーマンとしてでなく須羽ミツ夫としての友達になってほしいと言う。 「僕の知っているパー子は、お転婆でイカさない女の子だった。パー子、君は誰なの?」 どうしても素顔を見せられないというパー子だが、そこへスーパーマン現れる。 「争いの絶えない地球人を、私は信用していなかった。パーマンの間に秘密を持った者がいても、お互いに信じ合えるかどうかを見ていたのだ」 3号が正体を隠していたのは、実はスーパーマンが指示したことだったのだ。 「私が許す。マスクを取って顔を見せなさい。」 ゆっくりとマスクを外すパー子。 「はじめまして、星野スミレです。よろしく」 3号の正体を知って驚くミツ夫。 「スミレちゃんがパー子で、パー子が…。信じられないなぁ」 「星野スミレ」としてハワイに行っていたのはコピーロボットだったのだ。 スミレは聞く。 「ねえ、ミツ夫さんはパー子と星野スミレのどっちが好き?」 ミツ夫はメロメロに。サインを頼むが、スミレのサインには「パーマン3号 パー子」と書かれていた。 後日、星野スミレ(コピーロボット)が、多くの記者に囲まれる中でハワイから帰国。 「ぼくサインを貰ってこようかな?」 「本当の星野スミレは、この私よ」 「スミレさんサインして!」 「からかわないで、私はパー子よ!」 「私はパー子、パー子なのよ」という言葉を残し、パー子は飛んでいくのだった。 =おわり= |
<考察> 最終回の前半に放送されたエピソード。 原作はなく、アニメオリジナルの作品ですが、印象も強かったのか『テレビ探偵団』などの番組でも何度か紹介されました。 「パー子がミツ夫に素顔を見せる」というストーリーは、原作の最終話『バード星への道(スーパー星への道)』の描き足し部分より先に描かれたもので、後で藤本先生自身が最終話取り入れたとも言われています。 パーマンの姿で1号&3号が競争している姿もコミカルに描写されているようで、原作のイメージが出ているなぁ…と思います。 この作品の脚本を担当された浪江志摩さんは、次作『怪物くん』でも多数の脚本を手がけていました。 ぴっかぴかコミックス『パーマン』の第3巻に、同名の『パー子という名の女の子』(F.F.ランドでは『もう一つのパー子登場編』)という作品が収録されていますが、特に内容に関連性はありません。 初出時にタイトルは無かったようですので、編集者が本作のタイトル元に付けたのかもしれません。 参考:『Neo Utopia 22』 |