アニメレビュー&ストーリー紹介



『パーマン』第54回(最終回)Bパート

パーマンよいつまでもの巻
('68.04.14放映/脚本:三春こうじ)

<ストーリー>
「今日限りでパーマンを辞めさせていただきたいと思います。どうぞよろしく」
深夜、他のパーマンの前で、突然の宣言をした1号。
2号〜4号(5号)は引き留めるが、1号はそのまま帰って行った。

帰宅し、押し入れで眠った1号(布団にはコピーが先に寝ている)だが、翌朝掃除をしていたママに見つかり叱られてしまう。家を出たミツ夫は道路で眠りこけるが、カバオの母&ミチ子の母に訪ねられ、学校のことを思い出す。
休み時間にコピーと交代し、授業の続きを受けるミツ夫。だが、居眠りをしていたのを先生に怒られ、教室の笑いものになってしまった。帰り道、ミチ子との話も弾まなかったミツ夫は、ミチ子を置いて走り出す。
家に帰ったミツ夫は、更にママに怒られてしまった(ママは先生から、居眠りのことを知らされていた)。

ミツ夫の怒りがついに爆発。

家を飛び出したミツ夫は、泣きながらひたすらに走り続ける。
「雨にも負けず、風にも負けず、雪にも、夏の暑さにも負けず、それなのにみんな僕のことを悪く言う!誰も僕のことを分かってくれない!」
そのとき、ミツ夫の体が宙に浮き上がった。スーパーマンが呼び出していたのだった。

自分がパーマンだということを打ち明けたいと話すミツ夫だが、スーパーマンには「脳細胞破壊銃」を向けられ、許可はされなかった。スーパーマンはパーマンを辞めないよう説得するも、ミツ夫はパーマンセットを放り投げて帰ってしまった。

夕日の中を寂しげに歩くミツ夫。

夜、再びやってきたスーパーマンはパーマンセットを持ってきた。入れ違いに2号〜5号もやってくる。
地方で大雪が起こり、バッジで呼び出しても1号が来ないので全員で迎えにきたのだった。押し入れに籠もったミツ夫を出てこさせようと、パーマンたちはドンチャン騒ぎをするのだが、挙げ句の果てに追い出されてしまう。騒音で家族から怒られるミツ夫。

他のパーマンが出て行ったので、安心して眠ろうとするミツ夫だが、大雪に見舞われた村のことがどうしても頭から離れなかった。
大雪崩、雪で破壊された家、決死の復旧作業、なすすべもなく佇む人々…数々の心配がミツ夫の頭をよぎり、どうしても眠ることができない。

パーマンに変身し、窓から飛び出すミツ夫。
窓の外にはスーパーマンが立っていた。スーパーマンはミツ夫に、出動しようとした理由を問う。
「なぜって?分からない。でも行かずにはいられないんです!」
屋根から飛び立つ1号。スーパーマンは言う。
「たとえ誰も褒めるひとがいなくても、私だけは知っているよ。きみが偉いやつだってことを。いや、きみを見ているお友達も、きっといつかは分かってくれるだろう」

夜の町を飛んでいく1号だった。

=おわり=




<考察>
モノクロ版『パーマン』の最終話。
脚本は、原作屈指の名作『パーマンはつらいよ』(てんとう虫コミックス4巻収録)をベースにしたもので、ストーリー的にも大きな違いはありません。

しかし、冒頭から1号が「パーマンを辞めたい」と言ったり、原作での水害が雪害となっていたり、パー坊が登場していたりと細かい違いは見られます。

本編では、「パーマン」としての頑張りを周りに分かってもらえない、ミツ夫の苦悩がダイナミックに描かれていて、背景動画や実写映像といった斬新な手法、BGMも相まって、手の込んだ作りでした。

実写の雪崩のフィルムや写真は、ミツ夫の回想シーンで使われていています。
この話はシンエイ動画制作のカラー版アニメでも、第30話『パーマンはつらいよ』としてリメイクされました。


トップへ戻る

inserted by FC2 system